こうしてみると、私が時差を克服するのに、ほとん4-5日を要するということに気がつきました。だから、一度旅に出たら、10日以上は留まらないと四六時中時差に悩んでいるということになります。なにしろものぐさだからね。
実は前回も回避したんだけれど、イサム・ノグチのmuseumに行ってみようかなぁと思ったんだけれど、クイーンズだしなぁと逡巡しながら、とりあえずはとZahar’sという古いスーパーマーケットの見物に行こうと思ったわけ。そっちの方が全然安全そうだしね。1号線に乗って79th Streetで降ります。昔からある建物のまんまらしいですよ。これがまぁ、午前中でお客がいなかったからだろうけれど、めったやたらとスペイン語で会話している従業員がいるわけ。ものすごい数のスタッフですよ、本当に。二階はキッチン用具ばっかり売ってんのね。で、下もお惣菜からコーヒーから、その品揃えはすごいわけよ。柑橘類売り場なんて「Satsuma Mandarine」なんてあってね!驚いちゃうね。コーヒー売り場に行ってみると、もう何種類も看板がかかっていてね、豆をその場でおばさんが挽いてくれるわけよ。パン売り場だって、スープ売り場のその種類の豊富さときたら、こりゃ独り住まいの高齢者がきっと重宝しているんだろうなぁという感じ。
とりあえず買ったものを置きにホテルへ引き返し、その足で決意してクイーンズへ出かけたよ。
どこへ行ったのかといったら、「イサム・ノグチ美術館」でございます。
イサム・ノグチといえばドウス昌代の著作を読んでいますから、そして映画「レオニー」を見ていますから、彼のことは他人事に思えないくらいでございますよ。しかし、ここにきて、奥で上映される彼に関するフィルムを見て、またまた思いを新たにしました。もう忘れてしまっていることも確かにたくさんあるのですが、そういえば日本では、彼が山口淑子と結婚していたことなんてもう誰の口にも登りませんね。彼の作品は一言でいうと、ものすごく重たいフォルム、という印象が私にはありまして、丸まった、おかしな造形というイメージがあります。しかし、日系アメリカ人としての典型的ともいえる悩みであるとか、後々まで彼の父親が彼と彼の母親に対してとった態度があまりにも日本的で、彼の母親があまりにもアメリカ的でないことに驚きを持つのです。
夜は夜とて今日のメトロポリタン・オペラはドニゼッティの「愛の妙薬」です。しかし、この邦題どうにかならんものか。だって、あまりにも古めかしくないですか?
ところがなんと客の入りがガラガラ!です。いったい何事でありましょうや。キャストが気に入られていないのか?あるいは電車のせいだろうか。というのは出かけようとして1号線のホームまで降りたら、どこかで車両故障があったそうで、電車が動いていない。2番の電車が扉が開いたまま、まるで東京のラッシュアワーのように人が乗った状態で止まっていたのです。こりゃやばいというのですぐさま地上に出てタクシーを走らせました。リンカーンセンターまで13ドル(チップ込み)。入場の列が昨日に比べたら、ないに等しいのです。わたしの隣に座ったアラブ人っぽい二人連れがいるだけで、この列はあとは誰も来ません。不思議と盛り上がりが欠けるのですね、客が入っているかいないかで。終演10時半。帰りの電車、いつも以上に混んでいます。
2018年1月25日木曜日
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