2015年6月30日火曜日

150629 (月) ワシントンは良いな!

41日目

 いよいよワシントンDCも最終日、といっても今回はたったの4日間。最後の今日が連邦議会の見学予約を入れてあったので、朝は6時に飛び起きた、というのは嘘で、ズルズルと起きた。もう体がくたびれ果てていて、なかなかいうことを聞かない。朝早く目が覚めたから昨日作っておいたサンドイッチを食べちゃおう!これが正解。

連邦議会に入るときに水も食べ物も全部捨てちゃわなくちゃいけないんです。入ってからクロークがあるだろうと思っていたのは全然甘い。入場の列を作っているときに御託宣があります。列からそれぞれの人が出てきて外に置いてある大きなゴミ箱にポンポンと投げ入れます。これだけに来た人は良いけれど、普通はそこから他へ回るんだから、いろいろ持ってんのよねぇ。

 入るときのセキュリティー・チェックは相当に厳しいものがあります。飛行機と同じくらいです。連れ合いなんぞ日頃飛行場のチェックではきっと引っかからないのですが、ここでは引っかかっておりました。逆に私は日頃引っかかるのですが、ここでは引っかかりませんでした。背中に背負っていたパスポートもなんともなく。

ここを通ると、あとはリザーブを取っている人と、レザベーションのない人とに右と左に分かれます。ここはワシントン記念塔と違って、1日の定員というのはありませんから、ほとんどの人はレザーブを持たずにやってきます。私は朝9時の一番早いリザーブを持っていました。われわれと予約なしの人たちが混ざって、20人ほどがひと組になってヘッドセットから流れる声にくっついていきます。ちょっと離れると聞こえなくなりますから、慌てます。

写真撮影は全然大丈夫ですが、結局見せてくれるのは映画と彫像ホールですから、議場を見られると思っていたら大間違い。その上現在テレビでも見られるように連邦議会場は足場を巡らしていてかなり違和感のある外観となってしまっています。私はむしろこんな格好の議場を見ることはもう今後ほとんどないだろうと面白がっていますが、連れ合いは、どうせならといっています。

知らなかったのですが、ジェファーソン図書館には地下のトンネルで繋がっていますから、この暑い時期、冷房と日差しに交互にさらされることなく、図書館を見物に行くことができます。こっちの方がなんぼか面白かったですねぇ。ワシントンにもう一度来るとしたら、この図書館の中と、公文書館にこもってみたいですねぇ。ジェファーソンのことばに「I can not live without books.」というものがあるらしいのですが、これはこれは相当よろしいことばではないかと思っております。正に、その通りといってあげたい気持ちに駆られ、このことばが書かれたキャップを買ってしまいました。



ここから私たちは最高裁判所の前を通ってNew Jersey St.とLouisiana Ave.そしてD St.で囲まれた三角形にある「日系米国人碑」を目指すのですが、最高裁判所前にはたくさんのテレビカメラチームが滞留中です。一体なんだろう?例の同性結婚の合法判断に関するものでしょうか。中には「本来、結婚というものは一人の男性と一人の女性によるものだ」と書いたプラカードをぶら下げて歩いている人がいるかと思うと、「中絶反対」やら何人も横断幕を掲げた人たちがいます。それも目の前です。日本だったらみんな通りの向こうに押しやられているところでしょう。なんたって原発反対だって、「戦争法制化」反対だって首相官邸の向こう側に押しやられていますものねぇ。政府がいかに悪いことをしているのかということがわかりますね。

自転車で通りかかった警官に「この辺に日系米国人の碑があるらしいけれど、知っているか?」と聞いたのですが、彼は早速携帯でGoogleで探してくれました。すぐです。別れ際に彼は「God Bless Google」といって笑いました。

 途中でカリオンがいい音を聞かせてくれるRobert A. Taft Memorialがあります。その芝生を歩いていると、ふと気がついたらリスが何匹も、ぴょんぴょんと動いています。一体こんなところに彼らが食べる餌があるんですかねえ。

日系米国人記念碑は真ん中に有刺鉄線に絡まれている庭のツルの銅像があって、アジア太平洋戦争の時に日本人および日系米国人が強制収容したキャンプの名前が10カ所あげてあり、日系米国人部隊442部隊がトルーマンから勲章を受けた時のトルーマンの演説(敵と戦うだけでなく、差別とも良く戦った・・)や、ダニエル井上元上院議員のことばと一緒に442部隊の戦争犠牲者の名前がびっしりと書いてあります。どうぞご興味のある方は関連資料をお読みになるか、映像を見てください。

お昼ご飯はユニオン・ステーションに向かいました。こんな大きな駅には必ず大きなフードコートがあるに違いありませんから。



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2015年6月29日月曜日

150628 (日)疲れがピークのスミソニアン

40日目

 いやぁ、本当に歳をとりましたねぇ。40日目に至って、もはやダルダルです。体がだるいから、精神的に余裕がなくなりますねぇ。そのうえ、今日は朝からお腹の調子がよろしくありません。なんだか、危険信号です。薬を飲みました。この旅2度目の「ワカマツ」の登板です。

 まだ地下鉄はダメです。メンテナンスでほとんど動いていないといっても良いでしょう。それでも何人もプラットフォームに降りていきます。知らないんだろうなぁ、なかなかこないのに。そして32番のバスで昨日行ったモールの近所まで行きます。行きのバスはガラガラです。モール(といってもワシントンの「モール」というのは他の町のようにショッピングセンターのことではありません、ワシントン記念塔から連邦議会までの範囲)近くには昨日に続いてなにやらテントが張り巡らされていて入れないですし、連邦議会の方ではペルー・フェスティバルが開かれています。

ニューヨークでも行きましたけれど、ここにもNational Museum of Natural History、国立自然史博物館があるんですね、知りませんでした。もちろんスミソニアンですからただです。本当に凄いことですよね。ドネーションはウェルカムなんで、ほんの少し、入れてきます。だって、申し訳がないもの。だからってみすぼらしいかといったらそんなことはありません。ま、ニューヨークの自然史博物館に比べると多少そのスケールは小さいですけれど。







なんせここには世界最大といわれるダイヤモンドがあるんですね。45.52カラット。1958年にハリー・ウィンストンが寄付したんだそうです。しかもこの石、元はといえばもっともっと大きかったんだそうで、持ち主を経るに従ってカットをし直しては小さくなって来たってんですから、元の大きさを見てみたかったですねぇ。この展示の面白いのは一定時間で石がくるくると90度ずつ動いていくんですね。みんなに公平に見られるように。

それからとことこ歩いてSmithsonian National Air and Space Museum国立航空宇宙博物館にまいりました。誰もが必ず行くだろうと思われるのがここですね。だから、もうものすごい人でワンワンしております。さすがにここでは日本人にすれ違います。お〜!いたのか同輩!といいたくなります。もちろん入場料はただです。で、プラネタリウムに入りました。いくら払ったんだったっけ?・・・忘れました。

西へ行くとスミソニアン協会のキャッスルといわれている本部がありますがそのまた西にFreer Gallery of Artフリーア美術館があります。ここには琳派の作品があります。ジェームズ・マクニール・ホイッスラーがイギリスの富豪フレデリック・R・レイランドの食堂としてデザインした「ピーコック・ルーム」をデトロイトの実業家、チャールズ・ラング・フリーアが買い取り、彼の死後この美術館に移築したものが有名です。いやぁ、これは薄暗くしてあることもありますが、誠にしつこい内装で、ちょっと辟易しちゃいます。ホイッスラーのアメリカ印象派たる絵画の雰囲気もあるかも知れませんけれど、私の趣味とは相容れないといってしまいましょうか。


実は私はここでは思わぬ発見をしました。というよりこれまで知らなかったことを恥じるべきなのですが、私は尾形光琳と尾形乾山が兄弟だったということを知らなかったのです。ここの説明書きで知ったのでした。如何に中学、高校の時に勉強をちゃんとしなかったのかを証明してしまいました。日本の学校教育って凄いですよねぇ。

 ショップの前で日本人のおばさんに遭遇。

帰路はサーキューレーターの新路線、モール線に乗ってユニオン駅まで出て、そこからまたサーキュレーターの黄色線で帰ってきました。なんとサーキュレーターは6路線にも広がっていたのです。
 結果的に私たちは6路線全部に乗ったことになりますが、なにしろこのバスの運転手さんはみんなとても親切で、それは観光客の利用が多いからだと思いますが、一番は氏まで乗っていって、そのまま帰ってこようとすると、必ず運転手が、どうしたの?と聞いてくれるのです。毎回助けられていました。ただ、このうち川を渡って東へ行くオレンジ線はあまり乗らない方が良いかもしれません。川の先はあんまり観光客が行くべき方面ではなさそうです。(わかりますでしょうか?)


夕ご飯はフォギー・ボトムの駅に近いWhole Food Marketで誂えました・・って毎日ここで買ってきては部屋で食べておりますが、今日はなんとここでCherry Goldと遭遇いたしました!毎年カリフォルニアの友人が送ってくれるのですが、今年はすれ違ってしまって、サクランボは東京へ、私たちはアメリカへということになってしまいました。それで、あまりにも残念で探しておったところでございます。


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2015年6月28日日曜日

150627 (土)ワシントン国立美術館入り浸り

39日目

 朝から雨。しとしと雨。たぶんこんな具合に朝からしとしと雨なのは今回の旅で初めてじゃないですかねぇ。それでも今日はNational Museum of Artに行くんだから気が楽だぜ!ってなもんです。ルンルンでフォッギー・ボトムの駅へ。駅の入り口に屋台の傘屋が出ています。たぶん観光客が買うんでしょうか。
 Smart rip Cardに積んである金額もそろそろ危ないかもしれないからというので、駅の自販機でひとり10ドルずつ積もうと四苦八苦。ようやく解決。カードを読ませて残り幾らかがわかります。カードで積むを押します。すると20ドルと出てしまいます。そんなに積むのはもったいないと思いましょう?でプラスとマイナスのボタンを押して、これから積む金額を調節します。で、クレジットカードを入れます。読んでくれたらSmartrip Cardをまた充てるとそのまま金額がSmartrip Cardに積まれるわけです。

 ここまでうまくいったのに、プラットフォームにおりるエスカレーターが止まっています。それを降りてホームに立つと、行くての側に「本日はあっち側に電車が来ます」と書いてあるんです。どういうこと?単線になっちまったの?しばし待ってみても反対行きばかり。こりゃだめだ!外に出ます。サーキュレーターのバスに乗るしかないかなぁと思っているところへ#36のバスがやってきました。思わず手を挙げて運転手に「公文書館へ行くか?」と聞きました。美術館が公文書館のそばで、公文書館は地下鉄の駅があるからです。行くというのでまだ客が誰も乗っていないバスに乗りました。バスは私が泊まっているHotel Lambardyの前を通っていきます。

美術館はウェストとイーストに分かれていますが、ウェストがメインです。到着したのは11時近くになっていましたけれど、まだまだガラガラです。さっそくオランダ美術へ参ります。なんたってここにはフェルメールが、まだまだ論議のある一点を含めて4点所蔵されています。メインは「天秤を持つ女」「手紙を書く女」で、あとは「赤い帽子の女性」と「フルートを持つ女性」ですが、このフルートは「だと思われる」ということになっている作品です。そういわれるからそう思うのかもしれませんが、どうもイマイチな気がいたします。

 この美術館でフェルメール(米国人がいうのはヴァーミァーですが)よりもはるかに人気があるのはレオナルドダビンチの「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像」ですが、私はこれは初めて知りました。後から後からお客さんがやってきて、前が開くことがありません。まるでルーブルのモナリザのようです。






 私にとって拍手喝采だったのはドガの彫刻、「リトル・ダンサー」でございます。なんと4体もここにあるんです。これまで4体を見てまいりましたが、一度にこんなに置いてあるとは思わなかったので、心の中は大騒ぎでございます。しかし、何度見てもよろしうございます。







 驚いたのはギュスターヴ・カイユボット Gustave Caillebotteの特別展です。特別展ですから写真撮影は禁じられておりますが、「床の鉋かけ(床削り、床に鉋をかける人々)」のポスターを見て足が止まりました。これは確かにどこかで実物を見ています。どこだったのかが思い出せません。そのポスターをじっと見ていたら、一度トイレのあり場所を訪ねたセキュリティーのおっさんが私に向かって二階にあるぞとサインを送ってきました。もう疲れていたのですが、素直に上がりました。

 なんと今日が初日!10月4日まで公開されています。カイユボットの弟を描いたという「ピアニスト」はブリジストン美術館からやってきております。「鉋掛け」はパリのオルセーからやってきています。思い出せなかったのも無理はない、オルセーは写真禁止ですから記憶に残りにくいのです。不思議なことに写真を撮ると、それを整理しますから、繰り返し網膜に映って記憶に残ります。それにしても随分たくさんの数を集めてきたものだと感心します。

 何よりも驚くのはワシントンのたくさんの美術館、博物館が入場料が無料だということで、それを聞いた時には唖然として、しばし飲み込めませんでした。そういえばオランダのどれでも美術館年間パスとか、この種のサービスには頭が下がりますよねぇ。感謝、感謝です。

 お昼ご飯は下のカフェテリアで。私は久しぶりにきのこのスープと小ぶりなローストビーフサンドイッチ。連れ合いはポークと付け合せ野菜。ひとり10ドル。上にはひとり20ドルのバフェがあります。見始めたのが遅いので、ランチは午後2時でした。



 それまで出会う東洋人といったら中国系のアメリカ人ばかりでしたけれど、午後になってようやく日本人のシニア夫婦とすれ違いました。何となくツアーグループの匂いがしたのですが、上に上がってみると阪急交通社のバッジをつけた人たちが25人ほど連なって固まりになって絵の前を占領していました。これは周りの人たちには相当負担になります。自分がこっちの側に回ってみて初めてそれがわかります。

 中国系の人たちの特徴は絵の前でまで、ポーズをとって写真を撮ろうとすることでしょうか。相当に周辺に負担をかけていますが、全く気が付きません。レンズに向かって取る表情とそうでない時の表情の大きな違いを楽しむことにします。(良い趣味とは言えないですね)。

 美術館に閉じこもる日は歩く歩数が伸びません。そりゃそうです。今日も8,000歩を超えるか超えないかという程度です。それなのに、大変に疲れています。今日もまたWhole Food Marketでおかずをtake outしてきました。

 Whole Food Marketの中にあるテレビでサッカーのなでしこがオーストラリアに1-0で勝ったことを知りました。やった!ベスト4だ!






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2015年6月27日土曜日

150626 (金)ワシントンは綺麗じゃないの!

38日目


本日、午前10時半にワシントン記念塔にのぼる切符を持っております。もういったいいつ入手したのだったか忘れてしまいましたけれど、切符を持っています。これはネット上で申し込むのですが、切符代はタダですが、手数料、郵送料はクレジットカードで払いました。で、切符をなんと日本まで郵送してくれたんです。なんで、e-ticketにしないんでしょうねぇ。


で、9時45分くらいにやってきてみたら、ゾロゾロと人が並んでいたのですが、突然窓口に札が出て並んでいた皆さんが「お〜っ!」といって、解散状態になりました。「本日の切符は配布数が終わりました」ってんです。

 一回に9人くらいずつが呼び込まれてエレベーターに乗ります。これっていったいなんのために建てた塔なの?と思っていたんですが、純粋にジョージ・ワシントンを顕彰した記念塔だってんですって。いい景色なんですよ、これが。しかし、並んでいると色々な人が来ますなぁ。最低なのは、ずっと後からやってきたくせに、カエルのツラにションベンで(ひでぇ表現だね)平気でずる込みする奴がいるんだよねぇ、子連れのくせに。これじゃ、子どももろくな育ち方をしないってわけだ。

  上から色々見えますが、特に面白かったのは飛行場です(それかよ!?)。ロナルド・リーガン空港が丸見えなんですね。どんどん離陸、着陸でワクワクしますよ。







リンカーン・メモリアルに歩いて行くと、池の淵にたくさんの国旗が立っています。プラカードにはハングル文字。なんだろうかと見ると、「韓国は朝鮮戦争でのアメリカにいつまでも感謝しています!」という標語。確かにそうですよねぇ、あれで米国軍が進駐してくれなかったら、仁川での戦いで盛り返してくれなかったとしたら朝鮮半島は今では共産圏になっていたことでしょう。しかし、ひょっとしたら半島全部が共産圏になっていたとしたら、今の北朝鮮のようにはなっていないで、今の中国のようになっていて、大発展(格差はどんどん広がるばかりだろうけれどね)していたのかもしれませんねぇ。やっぱり歴史に「もしも」はないな。


私たちはフォギー・ボトムの駅まで歩き、地下鉄でMetro Centerまで行ってred lineに乗り換えました。どこへ行くのかというとフィリップス・コレクションでございます。これまたかつての製鉄業で財をなした一族のコレクションです。米国の鉄鋼業は莫大な財を各所にもたらしたのだなぁと感心しますね。印象派も現代アートもかなり幅広いコレクションです。何よりも驚いたのはイサム・ノグチの絵でしょうか。そしてチューリッヒにあったジャコメッティの作品にそっくりな彫像ですね。




ここの売りはやっぱりルノワールの大きなこれです。圧巻です。もう誰もこないといってもいい状況でこれを目の前に座っていられるというのはかなり贅沢です。平日は平常公開部分はタダだそうですが、今回は特別展として写真展を行っていますが、その分としてシニアは10ドルだということでした。私たちは一人1ドル(なんてケチなんだろう)のドネーションを入れました。


ちょっと歩いて、今度はサーキュレーターと称するコミュニティー・バスの一つに乗りました。スマートリップカードで1ドルで利用ができます。6路線走っています。これはかなり使いやすそう。普通のバスの路線マップが手に入りません。一体どこにあるんだろう。街中へ行かないとダメかな?




遅い昼飯をJohnny Rocketで食べました。一昨年、パサディナで入って以来です。ルート66とプリッツェル・バーガーです。いやぁ、相変わらず旨い!



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2015年6月26日金曜日

150625 (木)フィラデルフィアで道草を

37日目

 ニューヨークを離れます。私はマンハッタンに泊まったのはこれで3度目です。初めて泊まったのは一昨年の10月だったでしょうか。その時に泊まったホテルはもう既にクローズしてしまいました。もうほとんどメンテナンスされていないホテルで、あちこちガタガタでした。二度目はやっぱり一昨年の11月のことで、ポート・オーソリティの側にあるキッチン付きの部屋でした。そして今度です。

今度のホテルはコリア街の真っ只中にあるコリア経営のホテルでした。たった一台のエレベーターはガタガタです。いつ動かなくなっても誰も不思議に思わないだろうというほどガタガタです。しかも、6-7人が乗ったらもう一杯です。ただし、こんなホテルでも良いことだってあります。コンティネンタルってやつで、パンとジュースとコーヒーしきゃありませんけれど、朝飯が付いています。尤も部屋代についているに決まっています。もう一つはささやかですが、バスタオルが一人に二枚常備されているってことです。風呂で毎晩洗濯をする私たちにとっては、これほど嬉しいことはありません。それにしても、小さなあかない部屋の窓から見える鳩の糞だらけの壁は、マンハッタン感100%でございますよ。

そんなマンハッタンに別れを告げ、私たちはワシントンへ!とはいえ、途中にあるフィラデルフィアに寄り道をして、フィラデルフィア美術館へ行こうじゃないかという果敢な計画です。09:30発のAmtrakでPhiladelphiaの30th St駅に到着したのが10:50分。すぐさま荷物をAmtrak Baggageへ預けます。ボストンの係員のおじさんは私たちのスーツケースとデイパックをくくりつけて一つとして勘定してくれましたけれど、ここのお姉さんは厳格にそれぞれ一つと勘定して全部で4個分、16ドルを請求されちゃいました。しょうがない。「次に乗る電車の発車時間30分前には取りに来てね!」という声を聞きながらタクシーで美術館へ急ぎます。


裏口から入るとticket売り場には列ができています。流石なんだなぁと思ったらそうではなくて、昨日からPaul Durand-Ruelという画商が扱った印象派を特別展として開催しているのでした。これも入れて、シニアはひとり23ドルでした。爺さん婆さんが入場時間を決めて列を作っています。私たちは11:30-12:00入場枠をもらいましたけれど、列結構長い列ができています。

 このPaul Durand-Ruelという画商はかなりのやり手だったそうで、パリが不景気で売れなくなると、そのままアメリカへ持ち込んで爆発的人気を得たんだそうです。アメリカ人が好きそうだものなぁと思いましたけれど、それ以上に日本人だって大好きでございますよねぇ。なんたってルノワールという喫茶店があるくらいでございますよ。

そうそう、ルノワールといったらここの美術館には「大きな水浴」がございますよ。ルノワール好きの方は必見です。

 ドガの踊り子の彫刻がここにもございます。これで私が見たのは四つ目です。どうしても写真にしたくなりますね。

 ここの美術館のアジアスペースには中国のお寺、日本のお寺、日本の茶室、なんてものがそのまま移築して展示してあります。

時間が来てしまって、泣く泣く駅へ戻ろうということになりますが、どうやって帰ろうかという大問題。裏玄関から出たら、そこへ小ぶりなバス。PHLASH BUSと書いてあります。なんだこれ?ドライバーのお兄ちゃんに30thの駅にはいかないか?と聞いたら行かないって。ダウンタウンに行くか?と聞いたら行くという。じゃ、とにかく乗せてくれ、いくらだい?と聞いたら彼が歳を聞くんですよ。67歳だよというと、じゃタダだというのです!やった!多分65歳以上は無料なんですね。バスの中に掲示してある表示を見たら、これはコミュニティーバスでぐるぐる回っているんだそうです。City Hallまえで降ろしてもらい、Metroで30th St駅へ無事に戻りました。

 いやいや、お腹ペコペコです。そうだ、まだ一回も食べていないホットドッグを食べよう!それも玉ねぎ付きだ!ホットドッグ玉ねぎ付き!といったら注文を取った南米系のおっさんが不思議な顔をして、玉ねぎはそこにあるからというのです。なんだそれ?おっさんが作ってくれたのはただ一本ソーセージが挟まっただけのパン。玉ねぎは無料のトッピングのことだった。私が言っているのはそうじゃないのダァ〜!炒めた玉ねぎを一緒に挟んで欲しかったのだ!?なんていって頼めばよかったの?
 連れ合いはチャイニーズのテイクアウトを買ってきた。これが旨い!ちょっと反則!

ワシントンDCへのAmtrakは満員。椅子の数しか切符を売らないから必ず座れるはずだけれど、それがどこにあるのか最後は探すのが難しい。私たちは幸運に隣り合って座ることができました。それにしてもどうして座席指定にしないんだろうなぁ。

 道道見てくると、フィラデルフィア郊外だけじゃなくて、バルティモア郊外も電車から見える古い街並みの部分はもうほとんど廃屋じゃないかというほどの寂れ様で、朽ち果てた工場なんて建物も枚挙にいとまがない。アメリカは一体全体どういうことになっているんだろうかと他人事ながら驚く。とにかく歴史が朽ち果てている。軍艦島を世界遺産にするなら、こっちにはそれに近い廃墟は枚挙にいとまがない。

 今日はここまで随分順調に来たからと、最後、ワシントンの綺麗な地下鉄をつかってホテルに向かった。これが一番疲れた。タクシーにすればよかった。若くはないのだから。帰りは絶対にタクシーだ。

 そうそう、ワシントンの地下鉄もやっぱりSUICAの様な方式になっている。10ドルで作ることができる自販機がある。使える金額は8ドルだけ。その自販機はユニオン駅では2台が壊れていたけれどね。それなのに駅員は三人で無駄話だった。

 そういえばアメリカ人は昔から無駄話のベテランです。今日のホテルのレセプションの女性二人も仕事をしているんだか、無駄話をしているのか、わけわからんのよ。






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2015年6月25日木曜日

150624 (水)フリックと友人

36日目

 午前中にフリック・コレクションを見に行こうということに。他にも見に行きたいところはいろいろあるんだけれど、一度行ったことのある美術館は、その時に見逃したものがあるんじゃないか、という点がとても気になるのです。ま、反対にいうと一度も行ったことのない美術館は見逃したものだらけですけれどね。フリック・コレクションも先日のノイエ美術館と同じようにかつての大金持ちの方の私邸をそのまま会場にして、そのコレクションを公開しているという点では同じです。日本だって、根津だ太田だ、ブリジストンだ、出光だとあるわけですが、アメリカの金持ちがやることはスケールの点でずいぶん違うと言ってもいいかもしれないですね。

 フリックにはかのフェルメールが3点あります。フェルメールファンとして知られた福岡伸一先生もここに来られたんだという新聞記事を見たことがあります。シニアが一人15ドルでしたか、入ってみると、ほぉ、さすがに日本人の見物者がフェルメールの前に。この美術館はそもそも来られる方が少ないのに、日本人率がかなり高いと思います。その証拠にヴォイス・ガイドに日本語が立派にあります。インド・パキスタン系と思しき係員の方が「日本人だったらヴォイス・ガイドがありますよ」とご教示下さいました。私はヴォイス・ガイドに振り回されることになるのが嫌で頼らないことにしていますが、その代わりみなさんが簡単に手に入れる情報が入らないという馬鹿なことになってしまいます。

 ここもやっぱり写真は禁止なので、何を見たのか、印象に残らないという傾向にあります。私は写真に撮ることで自分の記憶に残しているようです。





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2015年6月24日水曜日

150623 (火)ロビン・ウィリアムズは何処?

35日目

 天気予報は暑くなるぞ、暑くなるぞ!といい続けているせいもあって、外に出ると暑くて暑くてたまらん!という気分になるのですが、地下鉄に乗っている、バスに乗っている、どこかの建物に入っていると、それはそれはもう寒くて仕方がないのです。まるでバンコックのあの空港にいるかのごとくに寒いのです。セーターやウィンドウブレーカーがなかったら凍え死んでしまいます。それは大げさだけれど、実に寒い。

今日はこれまで行ったことがない自然史博物館に行こう!ということでございますよ。バスで行こうってことになって7番のバスで登ります。すると自然史博物館でも裏に到着するわけです。これが実に大正解。表の入り口はワンワンと並んでいる切符売り場もガラガラです。シニア料金で全部見られるやつ!といったら28ドルでした。これで4つの催しに時間を決めて入ることができます。最初はIMAXの「tiny giants」ですが、なんと3Dと2Dを選ぶことができます。うちはどっちを選んだと思います?気持ち悪くなっちゃうという理由で2Dです、あはは!




 それからなんたって、セオドア・ルーズベルトの銅像を見たいと思ったので、警備員のおばさんに受けようとして「ロビン・ウィリアムスはどこですか?」と聞いたら、(またか!)という顔で、正面の入り口の真ん前に立っているよと教えてくれました。裏から入ったから見ていなかったわけです。

 「Dark Universe」もみたんですが、宇宙の歴史は数字がでかすぎてついていけないですねぇ。でも、この施設は相当にいけてます。
 結局お昼ご飯を食べて、午後3時まで楽しみました。ちょうど、ブラジルの中学生くらいの団体が来ていて、なんとその数100名以上!まぁ、うるさい!うるさい!どこに行っても彼らに悩まされました。最後は地下鉄乗り場にまで。分散して移動しろ!
 うるさいといえば、この施設にアジア人は大変に少ないようです。多分、言語的に面白くないからではないでしょうか。それに引き換えてスペイン語系の観客が圧倒的な数に上ります。あ、だとすると言語的な問題じゃないのか!?スペイン語系の人々のほとんどは国内からきている人ではなくて、外国から遊びに来ている人たちのようで、順番を守るとか、相手のことを考えるという観点が完全に欠落しているので気長にしていないとイライラしてしまいます。

 のんびり楽しい時間でした。

 夜は今日はトニー賞発表のずっと前に切符を買ってあった「王様と私」です。もちろん王様役はあの「ケン・ワァタナァベェ」でございます。ドナっていうセリフが大変に多くて、かなり疲れる役ではないでしょうか。確かに彼のセリフは聞き取りにくいものがありますが、純粋日本人がブロードウェイの舞台にいるってことだけでもう私達には十分です。しんじらんなぁ〜い!

 出かけようとホテルを出ようとすると驚くような雨!まさにバケツをひっくり返したような雨!ところがB地下鉄をコロンバス広場で1番地下鉄に乗り換えて、Lincoln Center Theaterに到着した時には「雨?どこが?」みたいな状態。誰も傘なんぞ見ていないという状態。驚いたなぁ。

 Metropolitan Operaには6-7回入っていますが、こっちの小屋には今まで一度も入ったことがありません。非常に手頃な大きさの小屋ですが、ステージの方は驚くほどの奥行きと設備が完備しているようです。
 そしてこのバンドが素晴らしい!全インフォーマルウェアで、まさにオペラのオーケストラのような雰囲気です。非常に格調の高いミュージカルです。なかでも冒頭のパーカッショニストの方の八面六臂の大活躍は非常に見応えがあります。それだけでも、アァ、二階席の真ん中で本当に良かったと思いました。多分あれは一階席のお客には見えていないのではないでしょうか。

 キャストも、もちろん素晴らしいものがあります。それにしてもケリー・オハラは上手い!



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2015年6月23日火曜日

150622 (月)ブルックリン・ブリッジを渡る

34日目

どうやら今日も暑いんだけれど、明日、明後日はもっと暑くなりそうだという天気予報なんで、まだマシだという今日のうちに長年の希望だったブルックリン・ブリッジを渡ろうじゃないかということになったんです。この手の橋を歩いて渡るというのはシドニーのハーバー・ブリッジ以来かな?ま、大した距離ではありませんけれど、一応ニュー・ヨークにやってきた観光客の中ではひとつの重要なポイントでありますね。

 季節も季節だし、時間も時間だったので、地元民は誰もいないといって良いと思いますが、とにかく観光客ばっかりです。だから、みんなダラダラ歩きの振り返り写真撮影なので、急ぐ必要がない。これは気が楽です。

 パイロンの陰に入ると乾燥しているからでもありますが、風が吹いて、とても清々しいものがあります。メインのロープにはメンテナンス用のサイドロープが張ってありますが、関係者以外をシャッタアウトするために鼠返しが作ってありますが、これが面白い。イルミネーション用のライトの球を変える人が上がってきたら面白いだろうに。通路の半分は自転車用です。それもレンタ自転車で上がってくる観光客がいて、結構面倒。

 緑線でBrooklyn Bridge & City Hall駅で降りるとすぐに橋へはわかると聞いていました。確かにすぐにわかりましたけれど、問題は降り方でした。橋を降りたところまでは良かったのですが、どこへ行ったらいいのかわからないのです。ちゃんと調べておけよ。結局、イーストリバー・フェリーにのってピア11に戻り、あとはWall Streetを登ってトリニティ教会のところから4だったか5の地下鉄で86 St駅まで。メトロポリタン美術館じゃなくて、ノイエ美術館に行きました。クリムト展をやっています。シニア10ドル。ここには一階にカフェがあって、これがウィーンのカフェそっくりさんで、大人気なんだそうですが、ウィーンのカフェならウィーンで入ればいいじゃん、てなものでありますが、ここではウィーン風にメランジュ・コーヒーを注文することができるんだそうです。それくらいですから、クリムト展も、その辺のお金持ちアパートからでも来られたような、それ風なおばあさんたちばかりでございますよ。鼻持ちならねぇ美術館です。それでもウィーンで見たことがないようなクリムトです。この美術館は化粧品会社の創業者のコレクションのようです。クリムトのデッサンがやたらあります。

 午後3時には暑さに負けながら、バスで帰ってきました。一眠り。

 夜は待ちに待っていた、トニー・ベネットとレディー・ガガのコンサートです。今回のRadio City Music Hallの公演は今晩が三回目。明日で終わりです。話には聞いていたホールですが、こんなにすごいホールだとは思いませんでしたね。私のことですから、取った席はもちろん三階席ですが、三階だけで800席はあるでしょう。驚くことにこの会場!写真撮り放題です!気がつくまでに半分以上は時間が過ぎていたでしょう。一階のお客さんだってガンガン撮ります。とんでもない雰囲気です。日本ではあり得ないでしょ?

 2時間弱のステージでしたけれど、全部で30数曲を二人で歌いました。サイドメンだけで、オーケストラを入れて全部で45名。ハープまで入っています。大ご機嫌!寝られやしない!



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2015年6月22日月曜日

150621 (日) メトロポリタン美術館に7時間

33日目

 本日は晴天なり・・ではなくて、父の日であります。ま、もうほとんどそんなこととは縁のない生活になってしまいましたなぁ。ま、それも人生でございます。

 日曜日の朝、一番でメトロポリタン美術館に向かいます。10時の開館ジャストに到着してみると、長蛇の列がどんどん美術館に飲み込まれていくところでございます。ここでは今や東洋人といえば、大きな声で有名な中国人の皆様でございます。かつて団体で闊歩していた日本人は今や見る影もございません。まさに中国人のみなさんがまんまその立場に取って代わったのだ、と見ればそれで正解かと思います。

 そうそう、その前に私たちはMetro Cardの7日間切符を買いました。自販機で買えるのですが、「Metro card」を選んでから「Unlimited」を選ぶところがミソです。これを知らないと7daysに到達しません。そして自販機はzip codeを聞いてきます。私は初めてこの質問に遭遇した時にどうして良いかわからず、たじろぎました。どこのzip codeをいれても大丈夫です。私は10001を入れました。Metro Cardの1ドルを加えて32ドルですが、多分来年また値上がりするに違いありません。年々上がっています。
 ボストンの7日間切符は乗る時にカードを入れてそれが帰ってくるのを引っ張り出してゲートをくぐりますが、NYCのは磁気テープをスライドさせて読み込ませます。

メトロポリタン美術館の入場料は大人25ドルですが、シニアは17ドルです。一昨年、これは16ドルでした。切符を買うところは一箇所ではありませんから、あちこち見回して空いているところを探しましょう。意外に右手奥が空いています。「この値段だけれど、寄付を加えてくださってもよろしいのですが、どうされますか?」というような聴き方をしてくれます。一昨年は一銭も載っけなかった後ろめたさから今年は寄付をしました。

 informationの方は必ずゆっくりしゃべってくださいますから安心していろいろ聞きましょう。聞かないことにはあまりにも広くて、見当がつきませんから。しかし、朝からあんなにたくさん入ってきた人たちは一体どこに行ったんでしょう。私の好きな欧州分野はガラガラです。もったいない!

初めてルーフトップに上がってみました。この暑いのによくそんなところに上がるなぁと思われるかもしれませんけれど、冷房が効き過ぎていて、体が冷え切ってしまいます。屋上で温まります。ここでもサラダとサンドイッチくらいは食べることができますが、座るところが限られています。それにこの季節はやっぱり日向は苦しいので、やめました。

 一階のカフェに行ってたいして種類はありませんけれど、サラダとローストビーフのランチをとりましたが、布のナプキンで、安くないことを悟りました。それにしてもたっぷりな量でした。しかしこうしたところでは得てして、私たちは端っこの席に追いやられますが、むしろ落ち着くのでこの方が好きです。彼らは目立つところには東洋人を座らせることはほとんどありませんねぇ。

 結局、閉館ギリギリまでつまり、7時間近く滞在して、79番のバスでセントラル・パークの西側に出て、今度は20番のバスでコロンバス・スクエアまで出ました。タイム&ワーナービルの地下にあるWhole Food Marketで食材を入手。7番街を7番のバスで南下して31丁目でおりました。バスのルートマップはMTAのサイトでpdfの形で入手が可能です。今回はこれをiPadで読めるようにしています。これは便利!



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あと31日

 I am Amsterdam cardを買った。72時間で100ユーロもする。 オランダ国立美術館を予約した。 ゴッホ美術館を予約した。 デン・ハーグのマウリッツハイス美術館を予約した。 準備は進みつつある。