14日目
今日は思いっきり遠出をしました。バーゼルからSBB(つまりスイスの国鉄です)に乗ってベルンの先のフライブルグへ足を伸ばします。なんてったって美しい景色の街。ベルンと同じように川の侵食で河岸段丘の上と下に街ができています。こっちはサリーヌ川。あっちはアーレ川。
まず、バーゼルの駅で日本で買ってきた「半額クーポン」(Swiss Half Fare Card)を有効化(activation)してもらわなくてはなりません。informationのお姉さんにどこでできますか?とお伺いしたら「ここでできますよ!」とお答え頂きました。パスポートを見せてハンコを押してもらって、日付を書いてもらって、自分でサインをして、完成です。切符は片道二人で50フランでした。往復だと安くなるのかどうか、不明です。というのは片道ずつ買ってしまったからです。
9時31分発のInterlaken Ost行きの電車でBernを目指します。約一時間でBernへ。そこからジュネーブ空港行きの電車に乗り換えます。今度は約20分です。
フライブルグは真っ青な青空!暑いじゃないの!informationに行ってみるとなるほど噂の(といっても例の「歩き方」に出ていたんですが)街の地図というものがあります。「お〜、これが有名な地図ですね!」と言って一枚いただきました。
まだ、人がパラパラしかいない街をダラダラと下っていきます。まず最初に美術館を目指します。
その美術館、元どなたかのお屋敷だったそうで、そのままに保存してある部屋もありますが、かなりの教会美術品が目白押し。iPodを使ったvoice guideも含めて一人入場料がひとり10フランです。ここの庭は大変に美しく手入れが行き届いています。
この街へ来たらまず見たいと思うのは大聖堂でしょう。塔に上がることができるそうです、有料ですが。私はデルフトの新教会の376段で懲りてしまいましたので、上がりません。ドイツでプロテスタントの教会ばかり見てきましたので、カトリックの教会へ入るとやはり落ち着きます。とても静かな落ち着く教会です。
ろうそくのお供え場所があるので行ってみると、よくある小さいろうそくが一つ1フランとしてあります。結構いい値段。スイスだから?それにもちょっとショックだったのですが、もっとショックだったのが、そこに「監視カメラあり」の張り紙。教会が人を信じなくて、いったい誰が信じるんですか。
ここからツェーリンゲン橋まで降りて行ってサリーヌ川を渡ります。暑い!もうまるで箱庭を見ているかのようです。真下を見ると、もうそれだけで私なんぞは足がすくんできます。向こうの方に屋根付きのベルン橋が見えます。橋を渡ったあたりでもう既に1時半をこえていて腹が減ってきました。橋の向こうの道を車が走る中、坂道を上っていきます。途中で教会へ降りる道がありましたけれど、確信が持てません。さっきもらった地図には川沿いの道が書いてありますが、いったいどうやって降りるんでしょう。通りかかったおじさんにお伺いすると、使い慣れない英語を駆使してくださって(誰もがどうにかして英語で対応してくださるのがすごいです)「良くは知らないけれど、ツェーリンゲン橋の横から下に降りるじぐざぐがあるんじゃないかなぁ」とおっしゃるんです。あ、そういうことなのか、と思いましたが、もうはるかに登ってきちゃっています。結局さっきの教会へ降りる道を降りてみました。すると、これが正解。川沿いの道に合流できました。多分こっちが旧道で、さっきの自動車ガンガン道路が新しく出来た道でしょう。古い街並みがそのままで、大変に味があります。
しかし、暑い!こりゃたまらん。蛇行する川をベルン橋で渡ります。とっても良い景色。あと二つの橋を渡ったあたりで、村の雑貨屋さんがあったので、ここでようやく水を補給。ゴクゴクと飲んでやっと一息つきました。雑貨屋の女性がやっぱり使い慣れない英語で、今日も明日も暑いって天気予報がいってますよ、といってくれました。
最後の登りはバスで登る、自力でよいしょよいしょと登る、水力利用のケーブルカーで登るとこれだけ選択肢があります。こうくれば当然、一人2.80フランもするけれど、ケーブルカーでしょ?あっという間に登ってしまうんですが、これは乗っておかないと。スイスパスやハーフフェアパスでも利用できるそうですが、それはあとになって知ったわけで、この時知らず。自動切符販売機に1/2という項目があったのを見たのですが、係りのおじさんがそのままフルプライス購入を押してしまったので、「あっ!」と言っておしまいでした。トホホ。
上にある車両のタンクに水を入れ、一杯になったらブレーキをぐるぐると回して外すと、重さで下に下がっていきます。下にいる車両はタンクが空なので、軽くて持ち上げられちゃいます。上に来たらブレーキをぐるぐると回してかけて、水を注入。下に来た車両は水を排出。水に困らないスイスならではの方式。
驚いちゃうのはこのケーブルの横に階段があって、地元民はこれを使っているんですねぇ。みんな健脚に相違ない!
フライスブルグから、今度はバーゼルまでの切符を50フラン出して買い、今度は途中でベルンで途中下車します。
ここの美術館には印象派やピカソ、マチス等が目白押しだと聞いていたのです。その上いつもだったら午後5時でおしまいですが、今日は火曜日でなんと午後9時まで開いているそうです。ところがベルンの駅は出口があっちにもこっちにもあって、「歩き方」の地図ではいったい自分がどこの出口を出てきたのか、すぐさまわかりません。またここでもinformationに行って、町の地図をもらい、美術館の位置を教えてもらいました。暑い!
美術館、ガランとしています。常設展示だけなら一人5フランだといいます。安い!特別展示はどうするかと聞かれましたので、何をやっているの?とお伺いしたら現代物で私の趣味とは全く相入れないので、常設だけにしました。ところが、安いのには訳があって、全体の数量としては非常に少ないのです。確かに、お、これはマネ、これはモネ、ゴッホ!とあるのですが、一点とか、せいぜいあって3点くらい。
ところが中にFerdinand Holderの作品を集めてある部屋があって、「選ばれし者」「オイリュトミー」なんてのが並んでいるのが壮観でした。常設展示の中にはAlbart Ankerが何点もあって、これは力入っているんだなとわかります。で、この美術館、欧州の公設美術館にしては珍しく写真撮影禁止なんであります。まるで日本のようです。そうか、それならそれは仕方がないとあきらめなきゃなりませんが、それならそうと絵葉書を展示作品分はすべて揃えておいて欲しいと思いますね。ろくな数がありません。それでいて、他であったら一枚1ドルくらいのものですが、ここでは立派に2フランします。ホドラーは力のある作品が多くて、結構好きです。
ベルンの駅まで帰ってくると既に18時近くになっています。18時04分発の電車でバーゼルのYMCAホテルに帰ってきました。多分、今日は1万5千歩ほど。
YMCAホテルではプレミアの部屋とはいえ、毎日ハウスキーピングをしてくれる訳ではないといいますが、せめてタオルだけでも替ておくれよと、タオルを取りに行きました。まるで清里の自然学校のような雰囲気の居心地の良い別館なんですけれど、シャンプーがなかったり、ほんのちょっとしたところに神経がいってないなという雰囲気を感じます。ドーミトリーはこれまで通りの施設を使っているようですが、若い男女の利用者も多い中で、おじさん連中の一人ものが結構いて、雰囲気に違和感があります。
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2015年6月3日水曜日
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