2015年6月26日金曜日

150625 (木)フィラデルフィアで道草を

37日目

 ニューヨークを離れます。私はマンハッタンに泊まったのはこれで3度目です。初めて泊まったのは一昨年の10月だったでしょうか。その時に泊まったホテルはもう既にクローズしてしまいました。もうほとんどメンテナンスされていないホテルで、あちこちガタガタでした。二度目はやっぱり一昨年の11月のことで、ポート・オーソリティの側にあるキッチン付きの部屋でした。そして今度です。

今度のホテルはコリア街の真っ只中にあるコリア経営のホテルでした。たった一台のエレベーターはガタガタです。いつ動かなくなっても誰も不思議に思わないだろうというほどガタガタです。しかも、6-7人が乗ったらもう一杯です。ただし、こんなホテルでも良いことだってあります。コンティネンタルってやつで、パンとジュースとコーヒーしきゃありませんけれど、朝飯が付いています。尤も部屋代についているに決まっています。もう一つはささやかですが、バスタオルが一人に二枚常備されているってことです。風呂で毎晩洗濯をする私たちにとっては、これほど嬉しいことはありません。それにしても、小さなあかない部屋の窓から見える鳩の糞だらけの壁は、マンハッタン感100%でございますよ。

そんなマンハッタンに別れを告げ、私たちはワシントンへ!とはいえ、途中にあるフィラデルフィアに寄り道をして、フィラデルフィア美術館へ行こうじゃないかという果敢な計画です。09:30発のAmtrakでPhiladelphiaの30th St駅に到着したのが10:50分。すぐさま荷物をAmtrak Baggageへ預けます。ボストンの係員のおじさんは私たちのスーツケースとデイパックをくくりつけて一つとして勘定してくれましたけれど、ここのお姉さんは厳格にそれぞれ一つと勘定して全部で4個分、16ドルを請求されちゃいました。しょうがない。「次に乗る電車の発車時間30分前には取りに来てね!」という声を聞きながらタクシーで美術館へ急ぎます。


裏口から入るとticket売り場には列ができています。流石なんだなぁと思ったらそうではなくて、昨日からPaul Durand-Ruelという画商が扱った印象派を特別展として開催しているのでした。これも入れて、シニアはひとり23ドルでした。爺さん婆さんが入場時間を決めて列を作っています。私たちは11:30-12:00入場枠をもらいましたけれど、列結構長い列ができています。

 このPaul Durand-Ruelという画商はかなりのやり手だったそうで、パリが不景気で売れなくなると、そのままアメリカへ持ち込んで爆発的人気を得たんだそうです。アメリカ人が好きそうだものなぁと思いましたけれど、それ以上に日本人だって大好きでございますよねぇ。なんたってルノワールという喫茶店があるくらいでございますよ。

そうそう、ルノワールといったらここの美術館には「大きな水浴」がございますよ。ルノワール好きの方は必見です。

 ドガの踊り子の彫刻がここにもございます。これで私が見たのは四つ目です。どうしても写真にしたくなりますね。

 ここの美術館のアジアスペースには中国のお寺、日本のお寺、日本の茶室、なんてものがそのまま移築して展示してあります。

時間が来てしまって、泣く泣く駅へ戻ろうということになりますが、どうやって帰ろうかという大問題。裏玄関から出たら、そこへ小ぶりなバス。PHLASH BUSと書いてあります。なんだこれ?ドライバーのお兄ちゃんに30thの駅にはいかないか?と聞いたら行かないって。ダウンタウンに行くか?と聞いたら行くという。じゃ、とにかく乗せてくれ、いくらだい?と聞いたら彼が歳を聞くんですよ。67歳だよというと、じゃタダだというのです!やった!多分65歳以上は無料なんですね。バスの中に掲示してある表示を見たら、これはコミュニティーバスでぐるぐる回っているんだそうです。City Hallまえで降ろしてもらい、Metroで30th St駅へ無事に戻りました。

 いやいや、お腹ペコペコです。そうだ、まだ一回も食べていないホットドッグを食べよう!それも玉ねぎ付きだ!ホットドッグ玉ねぎ付き!といったら注文を取った南米系のおっさんが不思議な顔をして、玉ねぎはそこにあるからというのです。なんだそれ?おっさんが作ってくれたのはただ一本ソーセージが挟まっただけのパン。玉ねぎは無料のトッピングのことだった。私が言っているのはそうじゃないのダァ〜!炒めた玉ねぎを一緒に挟んで欲しかったのだ!?なんていって頼めばよかったの?
 連れ合いはチャイニーズのテイクアウトを買ってきた。これが旨い!ちょっと反則!

ワシントンDCへのAmtrakは満員。椅子の数しか切符を売らないから必ず座れるはずだけれど、それがどこにあるのか最後は探すのが難しい。私たちは幸運に隣り合って座ることができました。それにしてもどうして座席指定にしないんだろうなぁ。

 道道見てくると、フィラデルフィア郊外だけじゃなくて、バルティモア郊外も電車から見える古い街並みの部分はもうほとんど廃屋じゃないかというほどの寂れ様で、朽ち果てた工場なんて建物も枚挙にいとまがない。アメリカは一体全体どういうことになっているんだろうかと他人事ながら驚く。とにかく歴史が朽ち果てている。軍艦島を世界遺産にするなら、こっちにはそれに近い廃墟は枚挙にいとまがない。

 今日はここまで随分順調に来たからと、最後、ワシントンの綺麗な地下鉄をつかってホテルに向かった。これが一番疲れた。タクシーにすればよかった。若くはないのだから。帰りは絶対にタクシーだ。

 そうそう、ワシントンの地下鉄もやっぱりSUICAの様な方式になっている。10ドルで作ることができる自販機がある。使える金額は8ドルだけ。その自販機はユニオン駅では2台が壊れていたけれどね。それなのに駅員は三人で無駄話だった。

 そういえばアメリカ人は昔から無駄話のベテランです。今日のホテルのレセプションの女性二人も仕事をしているんだか、無駄話をしているのか、わけわからんのよ。






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