27日目
いよいよ欧州を離れて北米に移動する日。Klotenは朝から雨。多分昨日の雷の時から寒気が入ってきているらしくて、温度はすっかり下がってしまい、気温18℃。さすがに月曜日の朝らしく、朝早くから出勤を急ぐ人やら車やら。私たちが泊まっていた寂しいビジネスホテルはKloten駅の裏側にいたわけで(だから宿泊費が安く抑えられるわけだけれど)初めて駅の反対側に行ってみたらなんとどでかいスーパーのMIGROSがで〜んと聳えているじゃないですか。早く反対側へ行ってみればよかったのですが、なにしろカンカン照りの暑さの中、電車から降りたらすぐさま部屋へ帰ってシャワーを浴びたかったのでした。しかも昨日は日曜日で休みでしたしねぇ。
そうそう日曜日といったら、スイスだけでなくて欧州は各地、どこへ行っても日曜日はほとんどの店が休みです。昨日の日曜日は欧州へ来てから4回目の日曜日でした。
最初はオランダのライデン、次がフランクフルト滞在中。三回目がスイスに移ってミューレン滞在中でした。ミューレンではどっちみち何曜日だろうと山を歩きに行っちゃうんですから大した変化はないわけですが、その他はどこへ行っても街の中心地はガラ〜ンとしていて一体この街はどうしたんだろうと思ってしまいます。安息日に働いているのは牧師と食い物屋だけだ、と言う冗談は怒られちゃいますかね。
最後の今日はできるだけチェックインの時のあの無礼な娘がカウンターにいないときを見計らってはチェックアウトをし、荷物を預け、荷物を取りに行きました。(大きな声ではいえませんが、ここのホテル、まるでユースホステルみたいで、荷物を預かってくれといったら地下にある小部屋の鍵を渡され、「自分で仕舞ってこい方式」です。あまりといえばあまりでございます。これでは自分の荷物を取りに行ってどんなことでもできてしまいます。これが一流でないといわれる要因になりますが、彼らにいわせれば「お前なんかが泊まった時点ですでに一流じゃない」てなことになりましょうか。
今朝の観光バスは(毎朝観光バスがお客を満載して出発していきます)台湾からのご一行様を満載して出発していきました。
中国(といっても中国本土から、台湾から、シンガポールから、その他からといろいろですが)からの旅行客の方々は日本に来られると「IH炊飯器」をお買い求めですが、スイスからは何をお持ち帰りになるのかと思ったら「ネッスル」のコーヒーメーカーをぶら下げておられる方がおられて、なるほどと合点がいきました。
午前中と午後前半を使って、Schauffensenに遊びに行きました。もうあと何kmかでドイツに入ってしまおうかという古い街です。旧市街にもなかなか味のある建物が残っていますが、ここの名物はなんといっても「ラインの滝(Rheinfall)」でございます。WinterturまでまたS-7で行き、プラットフォームの向かい側に止まっているS-33でSchauffhausenまでいきます。たった3両の編成の電車の中は遠足と思しき中学生の集団に加え、インドの一族郎党観光旅行が乗り込んできたので、わんわんギャンギャンでそれはそれは賑やかです(スイスはインド人に占領されそうですね)。ひょっとするとこちらでもインドの映画が撮影されたことがあるのかもしれませんねぇ。Neuhausen am Rhein Fallという駅で彼らはどっと降りて行きました。
Schauffhausenの駅で電車を降りると、目の前を80歳近くかとお思しきおじいさんが杖を持って、足をだまし、だまししながら三つも四つもの紙袋を運んでいます。階段の途中で追いついて「持ちましょう?」といったら、「ありがとう」といいながら、滝を見に行くなら1番のバスで行け、ところで君らは日本人か?と聞くんです。「そうですが、なんでわかるんです?」とお伺いすると、突然「私の父親はかつて大阪のなんとか会館で、どうのこうの」と説明します。そこから、「だから私は漢字を百は知っているぞ!碁だって打てるんだから!」とおっしゃったんですが、それとなんで日本人だとわかるのかとはあんまり説得力を持ちませぬ。
バスの切符は運転手から買えばいいのでしょうけれど、たまたまここの駅にはバスのinformationがあってそこで買えるのでした。「6つめのNeuhausen Rhein Fallで降りなさいだったのですが正解は「7つめのRhein Fall」が正解でした。
歩き方やガイドサイトにはこちらの方法が書かれていますが、実はさっきのインド人グループが降り乗りした駅で降りた方が手っ取り早く滝を見ることができます。
さてさて、Klotenへいったん戻り、荷物を取って、ホテルのシャトルバスでZurich空港へ向かいます。
Bostonへ飛ぶスイス航空機の便はLX-052便です。アメリカの子供達のスキー合宿がスイスのどこかであったらしくて、スキー道具一式を持った一団が乗ってきます。ほぼ満席のようです。
Bostonに到着してみると、パスポートコントロールは米国市民、グリーン・カード保持者、ESTA国民はこちら、普通のVISAが必要な国民はこちらと分けられています。その列が長いこと!日本国民はESTA国民ですから、そこへ並ぶと、税関の申告と指の指紋撮影と顔写真撮影を取られます。いままで通りの税関申告書がありながらです。そしてしかも担当者がいるパスポートコントロールへまた並び、聞かれますし、中ではまた指の指紋と顔写真を要求されたりしています。
この時間はちょうど到着フライトが重なっているのかもしれませんが、税関を通り抜けて外へ出ると、出口にはまるで60年代の羽田空港の国際便出口のように出迎えの人たちでワンワンしています。なんだか途上国の空港に来たような雰囲気です。これ、本当にアメリカなの?という気になります。そういえばJFKだって、かなり古ぼけていますよねぇ。
小一時間かかって外へ出ますが、なんせここの街は空港からシルバーラインと称するバスに乗っていくのがもっとも安上がりと知りつつ、初めての街ですし、夜の帳も降りているし、霧雨だし、というのでタクシーということに相成りました。
順番が来て乗り込んだタクシーの運転手に地域の名前とホテルの名前を告げましたが、こいつ、ウンともスンともいいません。日本でも昔はそうでしたけれど、今ではそんなこと考えられません。もう一度いったら「わかってるよ!」といったようなのですが、発音がほとんど英語じゃなくて、よくわからない。まぁ、いいかと思って見ていたら、ものすごいスピードで、挙げ句の果てにスマフォを見ながらだ。世界中に変なものが流行っちゃっていて気が気じゃない。ジョブスも大変なものを発明してくれたものだよねぇ。
Fenwayの野球場のライトが煌々と付いているのが見えるところまで来たので、「Longwood Avenueのこの番地だよ!」といったら、こいつ、突然ワァワァわめきだしたんです。一体なんていってんだろうと(それくらい訛っている)聞き返してわかったのは「お前が空港でホテルの名前を言っただろ!わかってんだよ!」というんですよ。なんだこいつ!?馬鹿か!こういう時地元の米人はなんと対応するんでしょうねぇ?私は思いっきり「オーケー!OK!」と言いました。
ホテルはそれまで抑えていたKendallのホテルより安いものを見つけた(といっても一泊250ドルもします)ので急遽変えたホテルですが、これが古くて古くて、天井は低いし、設備は旧態依然、しかし、とりあえず揃っているものは揃っているというマンハッタンによくありそうなホテルです。こういうホテルを見ていると(超一流から準一流あたりまでのホテルを利用しているとわからないですが)、本当にアメリカという国の劣化を目の当たりにするような気がします。間違いなく日本もこの国を追いかけています。
西へ飛ぶと本当に一日が長いので、バタッと寝てしまいます。
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