2015年6月9日火曜日

150609 (火)霧の真っ只中

21日目

 Murrenの村から谷を伺うと、谷全体に霧が満ち満ちていて、ユングフラウの壁すらよく見えない。こりゃどこへ行ってもダメだろうなぁ。雨の方がまだ始末がつく。

 一週間後に乗るスイス航空からメールが来て、アメリカへ行くにはESTAが有効じゃないとダメだよ、といってくれている。米国当局からキャリアーに相当プレッシャーがかかっているんだろうなぁ。持ってない奴を連れて来ちゃったら自分の責任で連れて帰ってね、ということになっているに違いない。私は一昨年に一度とっているから今年まで有効で、それがどの日までなんだろうというのが微妙なんだけれど、調べてみると8月中旬まで大丈夫なようだ。

さて、今日は昨日からずっと続いてミューレンの村は全く霧の中でございます。その分肌寒く、どうしようと思い、結局電車に沿っている道を辿ってGrütschalpまで歩こうということにしました。ほぼ4.3kmくらいの距離ですが、なにしろちょっとした花を見つけるとすぐさま止まってしまいますから、思った通りの時間で到達するわけがございません。結局10:15くらいに出て、Grütschalpに着いた時は11:50位でしたから優に1.5時間を超えました。

 Lauterburunnenに降りるロープウェイはこれで三日連続です。Lauterburunnenにも三日連続で通りかかったわけですが、この町並みをまともに見たことがありません。と、いっているところで連れ合いが「どうも靴が変だ」というのです。かかとの靴裏が剥がれかかっているというのです。「どれ?」といって見てみると、いえいえ、かかとどころじゃありません、つま先だって剥がれそうです。そういえば歩くと靴がキュッキュと音がすると言っていました。そう、もう剥がれかかって摩擦音が出ていたのです。その上、昨日、かなりの長距離のくだり坂を下りましたから、無理が出たと思います。
 じゃ、しょうがないから買い替えようと店を探し出してみると、昼休みです。じゃ、午後再開するまで滝を見物しようということに。

 なにしろこのラウターブルンネンの谷は氷河のU字谷ですから、こんな具合の滝がたくさん流れています。シュタウブバッハの滝が最も水量の多い滝で、高さは300mあるそうです。私の第一印象はヨセミテのブライダル・ベールにそっくりだなということでした。さぞかしヨセミテの滝も今この時期豊富な水量で派手に落ちていることでしょう。滝を見ながらお弁当のサンドイッチを食べて、のんびり時間を潰しているうちに午後2時になったので山道具屋さんに行ってみました。
 この辺のこの種の店は必ず外にサービス品の靴が出ています。それを持って中に入ってサイズを探しますが、なにしろ連れ合いの足のサイズは日本でも小さい方ですから、なかなか思う様になりません。諦めるしかないかと思っていたところで、じゃ、子ども用のウォーキング・シューズはどうよ?という発想に至りました。
 
 子ども用のEUサイズ35というものを出してもらったら、ようやく「うん!」という様な雰囲気になりました。古い靴をどうするかとということになりますが、当然捨ててくれと言おうとしたら、連れ合いは、この新しい靴が結果として合わなかったらどうするのかと考えると・・という。いや、断じて捨てる!といって捨てました。なにしろその古くて重い靴を運ぶのは私になりそうでしたから。あはは!ただやっぱり子ども用らしく、アーチベントが弱そうです。

さて、いよいよ谷歩きが始まりました。谷は上と違って、天気快晴!暑い!

 3.1kmほど歩いて岩を穿って外から見えない滝、トルメンバッハの滝見物にやってきました。つまり、水の流れが岩を削ってトンネルの中を流れているようなもので、アメリカのアンテロープと全く同じ理屈です。あそこは砂漠の中に時として一気に流れる鉄砲水が穴を開けて流れた結果ですが、こちらは今でも一秒間に22,000リットルの水がドォ〜っと音を立てて勢いよく流れているのです。美しさの点ではアンテロープ、しかし、迫力の点では文句なくこちらです。そういえばロイカーバードにもこれに近い滝がありますねぇ。あれも気楽に行ってみたらとても迫力があってびっくりした記憶があります。

ここの滝ではインド人観光客はまぁまぁですが、中国人はほとんど見ません。ま、尤も日本人もほとんど見ません。見かけたのは阪急のツアーのバッジをつけた3-4人の方でしたけれど、ひょっとすると自由行動時間だったのかもしれませんね。ま、そもそも今の時期は日本からの団体ツアーの時期としては早すぎますね。

 それに引き換え、今日のこの滝は米国人、それも南部訛り丸出しの団体にほぼ占拠されておりました。彼らが並ぶってことができないのは今に始まった話ではありませんけれど、平気で横入りはするは、人の通りを阻止して平気で写真を撮るだけでなくて、他人に気を配れません。日本人も中国人も団体になると結構これに近いものがあります。声はでかい、態度は悪い、傍若無人。ま、できるだけ関わり合いにならないスタンスを保てばいいのです。

 この滝を離れたのが16:40くらいです。Stechelbergまでの2.7kmを歩こうというわけですが、途中まで来て「タイムテーブルを見ていないけれど、StechelbergからMurrenへ上がるロープウェイは一体何時まであるんだろうかと不安になりました。なにしろMurrenからPitz Gloriaへあがるロープウェイは最終便が16:40だと知っていたからです。

焦って歩いている途中、まわりに何にもない、たまに農家が一軒ある程度というところで、突然頭の上で「バガッ!」という音がしました。びっくりして見上げると、なんとウイングスーツで飛んできた三人が、着地のためにパラセールを広げた音だったのです。いやぁ、驚いた。いくら、周りに大した施設はなくて、残りは全部牧草地帯だとはいえ、もし彼らがパラセールを開くことに失敗して通りかかった車や、人を直撃したらどうするんだろうか。本人はまだしも巻き添えを食う側はたまらないだろうなぁ。

Stechelbergから上がるロープウェイは一度Gimmelwaldで乗り換える必要がありますが、どうやらこの町にとっては生活路線で、23時まで動いているそうです。下にはたくさんの屋根付きガレージが作られていて、いかにも地元の足として使われている雰囲気がします。片道(半額で)4.50フランでしたからやっぱり生活路線なんですね。

 一日で2万歩ほど歩きました。



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