18日目 MurrenからSchynige Platteへ
ホテルの朝ごはんにスープのボウルが置いてあるのには気がついていたのです。しかし、朝からスープ?そりゃおかしいだろうと、既成概念に取り憑かれている私はそう思いましてねぇ、取るつもりはなかったのです。しかし、様子を見てみたいなと思って覗きに行きました。するとそこに「Miso Soup」と書いてあるのです。味噌汁かい!?日本人、泊まっていないだろ?あ、自分たちか?それじゃとってみないと悪いじゃないか。
・・しかし!これ、明確に、味噌汁じゃありませんから!味噌入っていませんから!中華風のコンソメとでもいうべきでしょうか。豆腐もどきも入っていますが、キクラゲ入っちゃってますから!お〜い!責任者、出てコォ〜い!
朝09:06発の電車に乗って下ります。電車には日本人と思しき非常に身軽な格好をした60歳半ばくらいの男性が一人乗っています。そこへ一昨日COOPでアイスクリームを買っている子供達の中にいた、幼稚園くらいの和風な感じの洋服を着た女の子が一人で乗ってきました。「一人なの?」と聞くと「うん」と頷きましたから日本語がわかるってことです。電車の出発間際にお母さんが駆け込んできて、日本語とドイツ語で話しています。
夕方帰ってきたら、駅前でこの一家と再会。お父さんはスイス人でドイツ語がわかるだけで、コミュニケートできません。子ども二人は顔にフェイス・ペインティングをしています。実はこのお母さん、昨日スーパーのCOOPで声をかけてくださった日本人の方だったんです。
(実は朝一緒になったくだんの一人の日本人男性ともLaunterburunnenからのロープウェイで合流)。
この帰りのロープウェイでは歩くのが辛そうな、日本人の奥さんと(多分)その旦那と思しき男性との高齢者カップルとも遭遇しました。彼らはなんともう一週間ここにいるんだそうです。まだあと10日間スイスに滞在するんだそうです。「冥土の土産と・・」と仰るので、私たちも同じです!と。
Launterburunnenから電車でWilderswilまで行きます。そしてここから100年の歴史を誇る登山電車でゴットン、ゴットン50分をかけて、Schynige Platteへ上がります。席で一緒になったのはドイツ語をしゃべる70代と思しきご夫婦です。このご夫婦とはかなり行動がラップしていて、途中で抜かれてしまいましたけれど、最後に下りの登山電車にやってきたらまたまた一緒でお互いに驚きました。(それにしてもあの奥さん、凄い格好して歩いていたなぁ。)
山上には六甲の植物園と姉妹提携をしているという高山植物園があります。そんな話を聞いていたので、その辺を見て、ちょっとトレッキングのモノマネでもできればいいやと思っていたのですが、ひょっとするとこれなら山も見えるし、インターラーケンを挟んだ二つの湖も楽しむことができるんだろうと欲を出しました。
結論から申し上げると、嫌という程両方の景色を臨場感をもって楽しむことができるだけではなくて、かなりのヒヤヒヤ感も味合うことができるわけで、高所恐怖症気味というより、そのものといったほうが良い私はもうぐったりで、腰は引ける、足はガニ股になるで泣いちゃいそうだったぞ。
欲を出してこの山の二つのポイントのひとつ、Daubeを目指してしまったのです。そこから尾根を伝って最高ポイントとなるOberberghornへのアプローチがもう私にとってはあたかも糸を伝うような気分がするところで、両側に目を配ることができません。左はほぼ千メートルほどの絶壁、右はわずか20数メートルの高低差とはいいながらやっぱり急峻な斜面で、やばい、怖い。そういうところはなんとも思わない、むしろワクワクするという連れ合いにその理由を聞くと、「落ちたら落ちたで、ただ人生が終わるだけだから」というのですよ。なんでこいつは派手な起業をしなかったのでしょうねぇ。それだけの根性を持っているならきっと成功しただろうに・・と思ったのですが、そんな奴は博打のような経営をしてしまいそうで、ダメですかね。
私はただただ地面を見るだけです。両側を見るようなことをしたらそこから一歩も動けなくなってしまいます。知らん顔をして、ヒーハーいいながら、早く終わってちょうだいませと祈りながら通過します。そこをようやく終わった時にはもうガクガクで、経路のよくわからないものだから、谷をトラバースして駅方向と思われる方向へ回避します。ところがこのトラバースはところどころにマーモットの巣の跡があるくらいであんまり人が歩く経路ではなさそうです。 ようやく窮地を脱した私は(いうこと相当に大げさ!)急に空腹を覚えます。連れ合いが高山植物園をぐるっとして来る間、水をごく飲み。(あまりにもおっかなかったので、この間の写真はまったくありませぬ!)
シーニゲプラッテのホテルのカフェテリアに行ってトマトスープをパンとともに買います。一緒に持ってきたサンドイッチを取り出して食べようと思ったらテーブルの上に「Self Service, No Pic-Nic」と書いてあるのです。これを見てピンときました。実はMurrenの街の中にもお店の前に「No Pic-Nic」と書いてあって、一体これは何を意味しているんだろうと首を傾げていたのですが、つまり「持ち込み禁止」だってことです。ま、こういうところのお店といったら日本でも、やたら高くて、挙句にこんななんだかせこい根性丸出しという字句を見ますが、こっちでも同じなんでございますねぇ。
電車の時間には少し早めでしたけれど、駅までやってきてサンドイッチを取り出して食べました。さすがに駅のベンチには「No Pic-Nic」とは書いてございませんし、トイレもタダでございますよ。
シーニゲプラの山ではほとんど東洋人に出会うことがございませんでしたけれど、ここで、日本人の30代と思しき六人組とすれ違いました。みんないわゆる山ガールの格好をした女性で、ただひとり男性が混ざっております。それにしてもどうして東洋人の人たちって、一目でわかる色合わせの衣装なんでございましょうねぇ。
帰ってくるときのロープウェイに乗る人たちの大半はスイスパスを提示しています。一番期間の長いものは15日間というものがありますが、この種のロープウェイまでフリーなんですね。
夜になって、黒い雲が覆い隠していたユングフラウだったのですが、気がついたらすっかり雲が晴れて、しばらく油断していたら、こんな夕焼けに!
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