2015年6月1日月曜日

150531 (日)ダルムシュタットはおもしろいぞ

12日目

 えっ、もう前半の五分の一が終わっちゃったってことか、とびっくりです。

フランクフルトから南へ30kmほど行ったところにダルムシュタットという街があります。
 フランクフルト中央駅からダルムシュタット行き、all dayのグループ切符を買います。途中、FUJITSUの工場があるLangenという駅に止まるだけで15分ほどでREが到着します。私たちの席の前に座ったおじさん、どうも日本人だったみたいでしきりにこっちを伺っています。
  中央駅の東側に出ると、Fバスの停留所があってそのバスの運転手にグループ一日券を売ってもらいました。6.80ユーロです。
どうもこの街は19世紀に初代大公ルートヴィヒ1世の下に発展したらしく、大学の街としても知られているらしいのですが、なにしろ最後のヘッセン大公エルンスト・ルートヴィヒが、マチルダ妃と結婚したことを記念してマチルダの丘なる高台に「結婚記念塔」なるものを建てています。世間は第一次大戦に突入せんとする時期でございますねぇ。この塔がものの見事な典型的なアール・ヌーボー、ま、ドイツではこれをユーゲント・シュティール (Jugend Stil) と称しておりますが、なんでございます。
 しかも、この丘に芸術村として何軒ものその種の趣向を凝らした建物を続々と建てさせたようでございます。いや、金があったらこれくらい凝りに凝った家や調度の中で暮らしてもいいんじゃないかと思いますねぇ。江戸指物の、この方向で欧州で復活するというのはいかがかと思うのですけれどねぇ。

 結婚記念塔は3ユーロで塔に上がることができそうですが、デルフトの新教会の376段の階段で懲りてしまって、この種のものを見ると怖気が出てしまいます。

  隣にひとり5ユーロで入ることができる美術館が出来ておりまして、漫才のくわばた似のおばさんから「カバンは前に、フラッシュは焚かないで」と注意を受けました。
 これがまさに私のツボにはまりまくりの製品の数々で、ため息でございます。例えば、食器棚の扉なのでしょうか、寄木細工で描かれた風景絵もさることながら、その下をよく見ると、寄木で文章が書かれているのです。
 しかもそれが目立つようで目立たないような微妙な作り。こういう、これ見よがしでないところにとんでもない細工が施してあるところが粋でございます。

 ただ、この時代の焼き物、あるいはガラスものというもののデザインが、まぁ、ねちっこくって、ベタベタという感じが私は好きになれませんが、それは人それぞれってやつです。

 建物の方は、こんなところにこんな凝り方をする理由って一体何?といってしまったら後から大顰蹙をいただきそうでございますが、壁を妙に膨らましてあったり、段をつけてあったり、よく考えたねぇといってあげたいものばかりでございます。特に凝っているのは概ね入り口でしょうか。

この美術館の玄関なんぞに至っては何もこんなにしなくたっていいだろうといってしまいそうなくらいに大げさなものになっています。はなはだ残念なことに無粋なフェンスなんぞが建てられていてすっきりと見ることができなかったのは残念で、当局の再考を促したいところです。

 周辺の建物も公的機関の事務所として使われていたり、今でも個人が住んでおられる家だったりするのですが、よくよく回り込んでみないとそれを見逃してしまいそうです。あたりから生バンドの音が聞こえてきて、一体何事ならんと行ってみると、そうした家の一軒がマルティン・ルター派の教会になっていて、礼拝後のパーティーをしているようでした。

結婚記念塔の前にはキンキラキンのロシア教会があるのですが、この街はルター派を中心としたプロテスタントばかりかと思ったら、とんでもない様子で、街の中にはドームを戴いたカソリック教会もドォ〜ンと聳え立っております。

 中に入って上を見るとドームのてっぺんに大きな鳩が浮いています。ドームは水色ですし、円形に椅子が配置されているし、とても変わった教会です。どこかチェコだったかの街で、元オスマントルコが建てた回教寺院をカソリック教会にそのまま転用した建物を思い浮かべました。そういえばこの街は人種のるつぼといっても良いくらい、たかだか10数万の人口でありながら、街中にはあらゆる人種が何の違和感もなく生活している雰囲気があります。そりゃそんな事をいったら多分ドイツはどこにいってもそうなんでしょうけれど、ここではそれがなんだかゆったりとしているように見えます。

 お城の周りを散歩して、いつものように偶然やってきたトラムに乗って終点まで行ってきました。今回はたまたまやってきたのが9番のトラムだったので、2番と共通の終点へ。2番のトラムなんて見ませんでしたが。
 最後は広場から中央駅行きのバスに乗って駅へ戻りました。

 帰りがびっくり。フランクフルトへ行く鉄道がなんと30分後。ようやくきたと思ったらこいつがまた途中で止まり、ICかなんかに追い抜かれ、ようようフランクフルトへかえってきました。最後の晩はまた部屋でサラダとインスタントスープで暮れていく。錦織のストレート勝ちしたという試合をテレビで見たかったなぁ。

ドームのカトリック教会は州立劇場の前の坂を上がった丘の上に建っています。






















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