2018年7月12日木曜日

死ぬるかと思った

08:45のフェレ谷行きのバスに乗る。始発のParking Monte Biancoのバスセンターで切符を買わないと運転手が乗せてくれない。そうかと言っても途中から乗ってくる人たちは運転手から買うしかない。なにしろバス停の周りにはほとんど店らしきものもないんだから。
それでいて、バスセンターの切符売りの姉ちゃんは自分が聞き間違えたのをすぐ人のせいにするやつで、イタリア人の鏡みたいな人。英語がわかる人ってのがイタリアの田舎には本当に少ない。日本人も人のことは言えないけど。途中からもどんどん人が乗ってきて、一時間かかるバスは最後には立錐の余地もないというやつで、昨日と全く同じ。これなら増便しろよと思うけれど、それができない。
終点から数分歩くと、シャーレー・ド・フェレという宿泊施設とカフェがある。ここのガキは三輪バイクを乗り回して、目立とうとしている。あえて無視する。
トイレは別棟になっていて、多分利用し放題。行きと帰りと2度利用したけれど、2度とも人が鍵をかけているというのに、ドアノブをガチャガチャする。頭悪いんじゃないのか。
悠然と出かけて、私たちが選択したのは「はじめだけ頑張ればいいんだ」と聞いていたエレナ小屋までのルートだったのだけれど、実はこれがツール・ド・モンテ・ビアンコの本ちゃんルートだった。登り上りの連続で、片側谷底が続いたと思ったら、角を曲がって現れたのはどっかりとした残雪。なんと、みなはそこを歩いて渡っていた。ポールで突っ張りながら、先人の足跡を踏みしめるが、それでも滑るような恐怖を感じる。こんなこと予想してねぇよ、と思いながらかわしたものの、次に現れたのは、その残雪が溶けて崩れている。どうするのかといったら、道なき崖を降り、水の流れを渡り、また道なき崖を登る。転がり落ちるような恐怖に足は震え、崖に手をついてよじ登る。一発間違えたら転がり落ちる。(もう嫌だ、もう嫌だ、二度とこんなことはやらないぞ)と心の中で悪態をつくが這い上がらなくては話にならない。顔を引きつらせながら前に進むと、またまた残雪だ!「もう嫌だ!」と口にした。すると向こうから自転車に乗った二人がやってきて、平然と渡ってくる。そうなるとこっちも逡巡していられない。怪我する奴はこんなときにするんだろうなと頭にかすめる。

0 件のコメント:

コメントを投稿

2月のクルーズ

  2月16日 Auckland出発 3月2日 Sydney到着 Holland America Line M/S Westerdam cancellation protectioon加入済