2015年5月28日木曜日

150528(木)

9日目

 寝付きから早朝に目がさめるまで、どうも咳が止まらなくて、寝ていられない。その間に円はどんどん安くなって、対米ドルで124円強、対ユーロで135.20なんてことになっちゃっている。冗談じゃない!考えるのもおぞましい。こうなるとなかなか考えちゃう。

 今泊まっているフランクフルトのホテルの一泊60ユーロは相当に貴重で、その上、朝飯はMotel Oneの7ユーロをはるかに下回る5ユーロ。それでいて、smoked salmonも出て来ちゃうというのは非常に貴重なんですよねぇ。朝飯会場に行ってみると、テーブルが6-7組あって、食べているのはほとんどが中高齢者の夫婦者ばかり。

 フランクフルトには二日間で34カ所の美術館、博物館に入り放題という切符があります。一人では18ユーロですが、ファミリーカードは28ユーロですからこっちの方が得。フランクフルト駅の正面出口の外に向かって右側にあるtourist informationでこれを買いました。

 フランクフルト中央駅の周辺はミュンヘン中央駅を彷彿とさせるくらいの汚れようで、そこらじゅうでおしっこの臭いがプンプンするという実に情けのない状態です。
 それでも少し離れたら小学校があったのですが、その校舎がまたとても羨ましくなるような重厚さ。これ、日本にあったら名物になりそう。

 マイン川には歩行者しか渡れないという橋が幾つかあります。その一つを渡ると、その向こうにシュテーデル美術館があって、そこにはまだ見たことのないフェルメールの「地理学者」があります。
美術館前に来てみると切符を買う列ができています。お爺さんお婆さんばかりなのは平日ですから当たり前です。このカードで入れるのかと英語で切符チェックの人に聞くと返事はドイツ語で(私になんでわかると思うのよ!?)切符に替えろといっている雰囲気。しかし、まるで自分が差配しているような物言いに多少向かっ腹。列に並んで「二枚ちょうだい」というとその一枚で二人分通用という。ごった返した中で、荷物を預けろと言われる。預けに行って、途中でカメラを出そうとまたクロークに行くと、窓口のおばさんは露骨に嫌な顔をする。その上、彼女が向こうからこれか?と合図したので「うん!」とうなづいたのにもかかわらず、持ってきたら「ごめん、あっちだった!」といった時の彼女のあからさまな「バカじゃん、こいつ!」面ったらなかった。思わず私は日本語で「しょうがないだろ、間違えたんだから!」と返したけれど、全く効果ない。そりゃそうだ、彼女は日本語わからん。こんなところもそうなんだけれど、オランダ人と、ドイツ人の決定的な違いはこの辺にありそうだ。昨年の経験でもそうなんだけれど、ドイツ人はどうしてもその根底に人種的な優越感を隠し持っているような気がしてならない。まだあれから70数年しか経っていないんだからしょうがないといえばしょうがないのだろうか。
 
 印象派がこれだけ集まっているのはなかなかなもので、多分国内だけでなくて、近隣諸国からも見に来ているのではないでしょうか。フランスからも、ニューヨークからも集められています。だから、どこかで見た絵だなぁというのが幾つかあります。それにしてもモネをはじめとした印象派の作品は一体どれだけの数があるんだろうというくらい、次から次に見たことがない作品に遭遇します。

 そこへ行くとフェルメールなんて30数点しかないんだからチョチョイのチョイです、といってもさすがに個人所有のものとか、盗まれてどこに行った変わらないなんてのはもうほぼ見ることかなわないわけです。私にとってはアイルランドにある一点が可能性の薄い作品です。
 ここには「地理学者」があります。初めて見ました。今日は印象派展にばかり人の目がいっていますから、ほぼ独占状態です。来合わせたおじさんと目配せをしながら満喫です。なんだかこの絵の男性って、のっぺりした顔をしていますよねぇ。他の絵の女性群に比べると、なんだか現実感がないと思うのです。なんだか蝋人形のようで。掻巻のような着物も気に入らないし。

ここの展示物で嬉しかったのはセガンティーニでございますなぁ。もう見るからにセガンティーに、誰がなんといってもセガンティーニ。この静溢さを誰よりも見事に表しているのは彼しかいないですよねぇ。大好きです。誰も見ている人がいませんけれど。ここにもブリューゲルはyounger, elder共に数点。もちろんオランダ絵画を見るのにはオランダで見るのが一番ですけれどね。

 ここを出るときに表に貼ってあるエゴンシーレのポスターが目にとまりました。それで受付に戻ってあのポスターはどこのものかとお伺いしました。するとまぁ愛想の良い若い女性がそれはそれは丁寧に教えてくれました。シルン美術館でやっているということでした。この美術館からマイン川沿いに歩くと、美術館通りと呼ばれている通りに、何軒もの博物館が軒並みです。情報博物館には上に無線局のアンテナが立っています。建築博物館、応用工芸博物館(この手の名称がついた博物館は外国ではよく聞きますが、日本にもあるんでしょうか?)、フィルム博物館と続きます。
 教えていただいた歩行者用の橋を渡った先には何事か赤いものを身につけ、数々のゼッケンやら横断幕やら、幟のような旗を持った人々、それもほとんど女性が集まっていて、どんどんその数が増えていっています。一体、なんの抗議デモなんでしょうか。

シルン美術館そばまでやってくると、さすがにお腹が減りました。ちょっと見たところおしゃれな感じのカフェがあったので、やれやれとそこに入ります。英語のメニューをいただいたら「フランクフルト・スペシャル」みたいなところに芋とゆで卵のグリーン・ソースとかいうのがあって、連れ合いが「これが名物なのよ」とそれを注文。私は何かサラダとパンが欲しいというと、3種類ぐらいのサラダを提示してくれたけれど、ツナサラダにした。アンチョビとゆで卵と芋が入ったグリーンサラダで、ドレッシングが美味。これに炭酸水を注文して〆て28ユーロ。安くはないけれど、外食なんだからこれくらいはするだろう。

 シルン美術館に入ってみると、エゴン・シーレはさほどではないが(だってあれだけウィーンで見ちゃったんだから)、チェコ出身のフランティセック・クプカがとてもツボにはまって良い。といっても晩年の抽象的な絵に移る前、まさにアール・ヌーボー的なそれが私の気をひく。この美術館は全く商売っ気が無くて、ショップがない!なんだ、絵葉書を買おうと思って出てきたのに!

背中合わせの大聖堂にご挨拶に。外観に比べてそれほど大きな教会ではないのだけれど、次から次に入って来る中国人の団体が引きも切らず落ち着かない。彼らは私たち日本人ツアー客と全く同じで、ブラブラと入ってきたら、キョロキョロ辺りを見渡し、ひょいとカメラを構えてはフラッシュを平気で焚いて、写真を撮り、祭壇の前でポーズをとって写真を撮ってあっという間に出て行く。敬意のかけらもない。お辞儀の一つもしたらどうかと思うけれどねぇ。あ、これは日本人の団体客にもいっています。

 肉市場に入ってパン屋さんの前で旨そうなドイツパンを買う。「サン・フラワーの種の乗っているやつ」といったら、パン屋のおばさんが「これはそうじゃない、あれ、あの、ほら、ハロウィーンの!」といったところで私が「アァ、パンプキンね!」といったらお互い理解し合えてウンウンとニコニコ顔。そうか、ドイツでもハロウィンは祝うのか!




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